2016年6月13日月曜日

バテンの役割について

バテンはセイル構造の重要な部分ですが、多くの異なるオプションと異なる使用目的で混乱してしまうことがあります。ここではどのようなセイリングするかで正しいものを選ぶためバテンの役割を説明します。



バテンはメインセイルを構成する重要な構造物です。それらはセイルクロスのばたつきを抑えることでセイルの耐久性を向上させて結果セイルシェイプを長持ちさせてくれます。またサイズ(リーチローチ)上の任意の制限を取り除いてくれます。セイルの上部セクションにフルサイズのバテンを使用することは現在では一般的となっています。

伝統的に過酷なオフショア・セイリング(クルージング)用にデザインされたメインセイルは耐久性を第一に考えるのでメンテナンスを軽減する目的でバテンの必要性の割合を減らすため、リーチローチ(クルーとヘッドを直線で結んだ外側のエリア)のサイズを小さめとします。しかしながら一部のハードコアなクルージングセイラーには要望でバテンを装着しない場合もあります。このようなセイラーはバテン及びバテンポケットがセイルのメンテナンスや潜在的な障害の源であると主張することがあるからです。しかしながら、バテンを装備しないことはシェイプ、寿命、サイズ​​などあらゆるセイルのパフォーマンスに劇的に影響します。

セイルにバテンを追加または削除することを決定する前に、それは完全に自分の役割を理解することが重要です。

バテンの仕事は?

バテンは例えるならばピンと張ったテントを支えている骨組みのような役割を果たしています。それらはクルーとヘッドとの間の直線の外側のエリアを支えています。バテンがなければこのエリアは抑え切れずにバタついてしまいます。フルバテンについては十分な硬さを持ったリーチ側からラフに向かってテーパーされたものであれば、よりセイルシェイプの保持を助けてくれるでしょう。

"I"ビームはセイルを引き込んだ時ラフに向かってリーチから圧縮しようとする抵抗として機能します。これは風速が上りセイルに掛かる荷重が増えた場合にリーチの深さに影響します。フラットで開きやすいリーチ形状は結果として船のヒールを抑え且つ余計なウェザーヘルムから解放してくれます。より大きいリーチローチを持っているセイルではさらに大きい圧縮力となるためによりバテンの役割はさらに重要なものとなります。

メインセイルのトップセクションにおいてローチはコード(ラフとリーチを結んだ直線)で最も大きな割合を占めるのでバテンはかなり重要です。セイルのロワーセクションではローチはコードに占める割合が小さくなるのでバテンの役割は比較的少なくなります。

フルバテンはマストへ圧縮荷重を掛け続けています。バテンが短い場合にはバテンのラフ側先端に荷重が集中します。結果この部分を支点としてバタつくので時間が経つにつれてセイル本体バテン先端部が傷んでしまいます。

より長いバテンはセイルの耐久性を上げ、また風が強くなった時のセイルシェイプ保持に役立つでしょう。セイルがバタつくような時やリーフが必要な時などは顕著となります。セイルのバタつきを抑えることはセイルクロスを守り引張抵抗を作り出します。

最低でもフルバテンはメインセイルのトップセクションでは装備必須条件でしょう

フルバテンにすることの欠点

フルバテンはセイルのラフ側に取り付けられたバテン・プロテクターなどのハードウェアに圧縮を掛け続けています。つまりフルバテンはマストの後面へ向かってセイルのリーチからラフを押し続けているのです。セイルのラフに取り付けられたスライダーがあるならばバテンの押す力により摩擦抵抗を強くしマストの中でねじれを発生させようとします。最悪のシナリオはスライダーが重くなってしまいセイルの上げ下ろしを妨げてしまうことです(唯一船をきちんと風位に立てて上げ下ろしをすることでこれをある程度防ぐことができます)。

外洋においてリーチングやランニングでセイルを降ろしたり、またリーフ作業をする必要がある場合にはスムースにセイルが降りないと新たな問題を引き起こしてしまいます。それはセイルのラフ側エンドのマストとの摩擦による破れです。クローズホールド以外の角度でセイリングした時にはマストを突きすぎる格好となり、結果バテンのラフ側先端で"V"字型のシワを発生させます。

これらの問題を解決するためのキーポイントはバテン・レセプタクル(フルバテン部ラフ側先端の受け - プロテクター)とスライダーです。バテン・レセプタクルはバテンのラフ側先端を収納できるボックス型のものでそれらはマストとセイルを接続しています。これらは擦れや摩擦を防ぐ役割を持っています。なぜらなばそれらの多くがステンレス製のユニバーサル・ジョイントを持っているのでバテンによる圧縮力をきちんと受け止めてマストへ余計な力を掛けないからです。

またスライダーの形状も影響大です。フラット(板形状)・スライダーはマスト内部のねじれをおこし難いので最良と云えます。ラウンド(丸型)の場合はねじれをおこし易いのでしばしばトラブルを起します。また古い船に見られるブロンズやニッケル製のマストの後ろに取り付けられた外付けレールを使用している場合でもレールのジョイント部分のがたやスライダーとの摩擦問題からラウンドと同じようなトラブルを起こす場合があります。より大きいエリアを持つセイルであれば「ストロング・トラック」や同様のマストから独立したレール・システムを使用することでセイルの上げ降ろしのトラブルからも解消されるでしょう。

もし数本もしくは全てフルバテンを使用している場合にはセイルをどのようにマストにセットするかを決める必要があります。またしばしばマストとの摩擦でトラブルを起こすヘッドボード(セイルのピーク部分金物)のマストとのアタッチメントの検討も重要です。スライダー・システムについては過去20年間で幾つかの優れたシステムの選択肢が増えました。全てのシステムはあらゆる使い方(例えばメンテナンスも含めて)において完璧ではありませんが使用目的とご予算に合わせて最適なものをお使いになることをお勧め致します。



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ストロング・トラック専用バテン・レセプタクル